研究課題/領域番号 |
18656191
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
石崎 幸三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10176183)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 多孔質材料 / ヤング率 / ダンピング係数 / フォノン |
研究概要 |
セラミックスは、焼結方法によって拡散過程が異なるために結晶粒径や結晶粒界、さらに気孔の形態など多くの性質が異なり、それぞれが制振性能に影響する。そこで本研究は、多孔質材料の気孔形態の制振性能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。焼結方法の異なる数種類の多孔質アルミナセラミックスを用意し、それぞれについて気孔率、気孔径分布や比表面積測定などを行うことで気孔形態を評価し、制振性能と関連付けることで、多孔質セラミックスの焼結過程によって作製された気孔の制振性能への影響を明確にした。また、的確な焼結方法を選択し、焼結に及ぼす表面拡散の寄与する割合をコントロールすることにより、ヤング率と制振性能を独立して制御可能であることを明らかにした。 振動は、物体の界面において反射や吸収される。固体の場合、結晶粒界は一種の界面であり結晶内部とは異なった特性をもつ。また、セラミックスの場合、その製造方法によっては粒界にガラス相が存在し、様々な物性値に大きく影響する。さらに、多孔質体の場合には、内部に存在する界面は気孔と粒との界面も存在し、粒表面は内部よりもはるかに乱れた構造をしている。以上のことから、物体における振動伝播はミクロで見ると個々の原子が振動を伝播させる媒体であるため、振動がどのように伝播・減衰していくかを明確に記述するためには、伝播していく振動と原子の振動つまりフォノンの伝播・散乱についての明確な記述が必要であることを示した。
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