研究課題/領域番号 |
18656192
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平尾 一之 京都大学, 工学研究科, 教授 (90127126)
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研究分担者 |
下間 靖彦 京都大学, 産官学連携センター, 産学官連携准教授 (40378807)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 無機材料 / 光機能性 / 光物性 / 高性能レーザー / ナノ材料 / 発光素子 / フェムト秒レーザー |
研究概要 |
0.016MのZn(CH_3COO)_2・2H_2O水溶液と0.20MのNM_4OH水溶液を混合してpHを11に調整した混合溶液にフェムト秒レーザーを集光照射することによって、ZnOのナノワイヤーを形成した。レーザーの集光部近傍において、溶液が不均一になり、核生成が誘起され、さらにその後の熱処理によって、ナノワイヤー状に成長した。レーザー未照射の場合は、核生成が十分に起こらず、不定形のZnOが形成されるが、レーザー照射によって結晶性の良いZnOのナノワイヤを形成されることを確認した。形成したZnOナノワイヤは直径10〜40nm、長さが1.5μmで、390nmにバンドエッジ由来の発光と580nmに酸素欠陥由来の発光を示した。また、フェムト秒レーザーパルスの繰り返し周波数を1kHzと250kHzで比較したところ、ZnOナノワイヤ形成には照射エネルギーにしきい値が存在し、それぞれ200μJ、2.4μJであることを確認した。250kHzの繰り返しの場合は、熱蓄積の効果のためにしきい値が1kHzに比べて約10分の1になったと考えられる。さらに溶液のpHを8〜10に調整することによって、ZnOナノチューブの形成も可能であることを見出した。これは、レーザー照射によって形成されるZnOの前駆体Zn(NH_3)_4^<2+>がpHが低い場合、Zn(OH)_4^<2->に変化するためと考えられた。本研究によって、固体材料だけでなく、液相にフェムト秒レーザーを照射することによって、核生成を室温で促進させ、その後の熱処理によって、異方性の強いナノ材料の合成技術を確立することができ、新規発行素子への応用が期待できる。
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