研究課題/領域番号 |
18656201
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横山 嘉彦 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00261511)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | プラズマ溶解 / 亜共晶バルク金属ガラス / 機械的性質 / 体積変化 |
研究概要 |
本萌芽研究のそもそもの目的は、新しい溶解・鋳造プロセスを開発して、新規な非平衡物質を開発することにある。本装置の開発を通じて非常に興味深い知見を得ることが出来た。特に、従来融点が高くて鋳造が困難であった亜共晶のZr基金属ガラスにおいて、得られた金属ガラスは柔らかくしなやかで、ボアソン比が高く低弾性率であることがわかった。今までの研究では作成可能な金属ガラスの組成範囲が限られていたが、それを大きく広げることが可能になった。ZrリッチのZr-Cu-Al系亜共晶組成金属ガラスは、アモルファス材料のアキレス腱とも言える構造緩和脆性の兆候を見せることなく非常に高靱性である。しかも、Zr-Cu-Ni-Al系と4元系にすることで引張延性を得ることにも成功している。引張延性を示す亜共晶Zr-Cu-Ni-Al合金は引張試験に伴って明瞭なくびれを示し、均質な見かけ上の伸びを示している。引張延性に伴って加工硬化も軟化もしていないが、今後の研究において加工硬化を発現させることは十分に可能であると考えている。今まで室温で引張伸びのない金属ガラスは構造材料に使うことが困難とされてきたが、この結果を受けて金属ガラスの産業化は大きく前進したことになる。 一方、本開発装置、アークプラズマ浮遊溶解装置は非常に少量の鋳造に適した鋳造装置である。安価で簡便な鋳造機として今後は歯科医療や小型精密鋳造部品などの種々の産業的な展開が期待できると考えている。また、本プロセスを更に発展させることで、完全溶解が困難な高融点合金の浮遊溶解・鋳造および超急冷が可能になると期待している。
|