研究課題/領域番号 |
18656213
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村原 正隆 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 教授 (40166301)
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研究分担者 |
矢部 孝 東京工業大学, 統合研究院, 教授 (60016665)
吉田 国雄 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 教授 (70029338)
内田 成明 東京工業大学, 統合研究院, 教授 (20260177)
佐藤 雄二 東京工業大学, 統合研究院, 助手 (40422547)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | シリコーンオイル / エキシマランプ / アモルファスガラス / 光酸化反応 / 耐熱性 / 紫外線透過性 / 無歪 / 合成石英ガラス |
研究概要 |
(1)成果概要:接着剤はシリコーンオイルのみ。一般にシリコーンオイルの塗布面は擬水作用があり、接着剤の離型剤として使われている。ところがこのオイルの化学構造は骨格に天然石英と同じシロキサン結合を有している。このシリコーンオイルを紫外線の光化学反応を利用して空気中で光酸化させて、有機オイルから無機ガラスに変質させる過程で石英ガラス同士の接着を試みた。この紫外線照射による光化学反応により紫外から近赤外線域まで透明で、収縮応力に伴う亀裂の発生もなく、耐熱性、不燃性、耐水性を満す石英ガラス同士の強接着を室温下で可能にした。この接着法は、接着前は有機接着剤の様相を呈しながら、接着後は耐熱性や耐火性のあるガラスに変質させるもので、UV硬化接着剤に含まれる反応開始剤や増感剤あるいは無機接着剤特有の水溶性バインダー、硬化剤、充填剤などは一切含まれていない。このため接着層での光散乱も無く、真空紫外線から近赤外線までの全波長を透過する光学接着剤としての用途大であると考える。 (2)実験方法:2枚の合成石英ガラスの間隙にジメチルシロキサンシリコーンオイル(KF-96-10000)を挟み、加圧しながら接着界面にXe_2エキシマランプ(172nm)光を照射する。石英ガラスの被接着表面に吸着していた酸素は励起されて活性酸素と成り、CH_3基が光解離したシリコーンオイルを光酸化する過程で合成石英ガラス同士を接着する。 (3)実験結果:本手法で光酸化させたシリコーンオイルおよび比較のために用いたシリコーンゴム、水ガラス、エポキシ樹脂接着剤により石英ガラス同士を接着させた結果、シリコーンゴムは1.9[MPa]、水ガラスは2[MPa]、エポキシ樹脂は11[MPa]であるのに対しXe_2ランプ照射時間60[min]照射で光酸化させたシリコーンオイルではこれらの値をしのぐ18[MPa]であった。ZYGO干渉計で観測した結果、接着層には接着による応力歪は無かった。また接着させた試料を夫々の設定温度(25〜500℃)に達した時点で電気炉から出した後、引っ張り勇断試験を行った結果、本方法では500℃で加熱後でも6.5[MPa]の強度が得られた。
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