研究課題/領域番号 |
18656243
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物機能・バイオプロセス
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大竹 久夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10127483)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アルゴリズム / ソフトウェア / 生命体 / システム |
研究概要 |
ラットの匂いの受容と情動の表出をつなぐ脳機能を解明するため、行動とそれに伴う神経活動の変化を、テレメーター法により測定した。無線により脳波を測定することが可能なテレメータを用いるこことし、まず脳波測定および解析手法を確立した。実験用に飼育したラットに新しい床敷と自分の匂いが染みついた床敷の上で自由行動をさせ、床敷から発せられる匂い刺激の違いによって誘発される行動と海馬脳波を測定した。その結果、新しい床敷を用いた新規環境においては、探索行動時のラットの海馬脳波において□波の占める割合が増大し、□波のピーク強度も増大することがわかった。このことから探索行動と海馬機能に何らかの関連があることが示唆された。自分の匂いが染みついた床敷の方が明らかに匂いは複雑であり強度も強く、受容される情報量は多いはずである。しかし、入力される匂い情報の多さにもかかわらず海馬□波の応答は新しい床敷の方が自分の匂いが染みついた床敷よりも大きかった。このことから海馬での応答は、匂い物質の種類の多さや強度ではなく、匂いの質に依存するのではないかと考えられた。ラットの探索行動時の海馬□波のピークの増大は、過去の記憶情報との参照という海馬における匂いの情報処理を反映しているのではないかと考えられた。本研究で用いたテレメータは、小型軽量化による非拘束状態での脳波測定を実現されたものの、1つのテレメータにつき1点の測定のみが可能であった。将来、テレメータでの多点同時測定が可能になれば、情報処理機構解明の手掛かりとなることが期待できる。また海馬からの入力を受け、快不快のような価値判断に関与する扁桃体など他の部位の測定も必要であろう。
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