研究課題/領域番号 |
18657010
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮下 英明 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (50323746)
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研究分担者 |
田中 樹 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (10231408)
幡野 恭子 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (90208520)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 微生物 / 土壌 / 微生物生態学 / 分子微生物生態学 |
研究概要 |
本研究は、複数の"藍藻"によって形成されている日本固有の特殊な微生物塊の群集構造およびその成因を明らかにすることを目的として行われた。19年度はPCR-DGGE法を用いて微生物塊を構成する微生物の多様性を解析することを主目的とした。18年度の研究から、サンプルとする微生物塊において細胞外多糖が多いためDNA抽出効率が悪く、DNAの抽出・精製法を検討することが不可欠であることがわかった。そこでまず、DNA抽出法の検討を行った。市販のキットの利用を含め、破砕法、DNAの抽出・精製法等について、12通りの方法を検討した。PCR-DGGEにおいて出現するバンド数を指標として抽出精製法の評価をおこなったところ、電子レンジを用いる細胞破砕方法によって、最も多くのバンドが検出された。そこで、このDNA抽出・精製法によって得られたトータルDNAを用いた。まず、シアノバクテリア特異的プライマーを利用して検出を試みたところ、シアノバクテリアは全く検出されなかった。このことからも本微生物塊が"藍藻"群集でないことが裏付けられた。また、真正細菌・古細菌・真核生物それぞれのSSU rDNAをマーカーとしてPCR-DGGE解析をおこなったところ、十数種類の塩基配列が明らかになった。これらの配列解析から、微生物塊には、アシドバクテリア,クテドバクテリア,γプロテオバクテリアなどに属するバクテリアが優占的に存在することがわかった。これらの結果は、この微生物塊がきわめて特別な環境に、特異なエネルギーおよび物質循環を形成して成立する特殊な微生物塊であることを示唆する結果であった。
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