研究課題/領域番号 |
18657020
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理・分子
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研究機関 | 立教大学 (2008) 東京大学 (2006-2007) |
研究代表者 |
堀口 吾朗 立教大学, 理学部, 准教授 (70342847)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | シロイヌナズナ / 細胞増殖 / 細胞伸長 / 補償作用 / AN3 / KRP2 / Cre / Lox / キメラ解析 / OLI / GDP1 / リボソーム / ANGUSTIFOFIA3 / OLIGOCELLULA |
研究概要 |
本研究は葉の細胞増殖がある種の突然変異により抑制されると、分化過程における細胞伸長が促進される「補償作用」の分子機構を明らかにすることを目的としている。本年度は、補償作用が細胞自律的あるいは、非自律的に引き起こされるのかどうかを、Cre/Loxを利用した系を用いて解析した。まず、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるKRP2にGFP(KRP2-3xGFP)を3つタンデムに連結したキメラ遺伝子を、シロイヌナズナ野生株で過剰発現させると、補償作用が誘導された。次に、ヒートショック誘導性のCreによって、KRP2-3xGFPの発現を誘導(KRP2-3xGFP-ON)、抑制(KRP2-3xGFP-OFF)できるようにした形質転換体を作成した。葉の発生途上で、KRP2-3xGFP-ONを持つセクターを誘導し、葉が完全展開した後に補償作用の誘導の有無を検討した。すると、そのようなセクターでは補償作用が確かに誘導されたが、野生株のセクターでは誘導されなかった。これと同様に、KRP2-3xGFP-OFFを用い、葉の発生途上でKRP2の発現を消去し、野生型に戻ったセクターでは、補償作用が誘導されておらず、引続きKRP2-3xGFPを発現し続けているセクターでは、補償作用が誘導されていた。これらの結果から、KRP2の過剰発現によって引き起こされる補償作用は、細胞自律的に誘導されていることが明らかになった。 これと同様の実験を転写コアクチベーターをコードするANGUSTIFOLIA3(AN3)を用いて行った。ここでは、AN3-3xGFPをヒートショックおよびCre依存的に誘導するコンストラクトをan3変異株背景に導入した。An3は典型的な補償作用を示すが、AN3-3xGFPを発現するセクターでは、それを発現していないan3セクターとの共存時に、部分的な補償作用を示すことが示唆された。この結果は、KRP2を用いた場合とは対照的であり、補償作用の誘導機構に、細胞自律的、非自律的経路の両方が存在することが示唆された。
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