マイクロチャンバーによるABCトランスポーター基質測定系の開発

• 研究課題/領域番号: 18657041
• 研究種目: 萌芽研究
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 機能生物化学
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 横山 謙 東京工業大学, 資源化学研究所, 資源化学研究所特別研究員 (70271377)
• 研究分担者: 鈴木 宏明 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (20372427)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2007
• 研究課題ステータス: 完了 (2007年度)
• 配分額: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円); 2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円); 2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
• キーワード: トランスポーター / 微細加工 / 計測技術 / 基質輸送 / ABCトランスポーター

研究概要

本研究の目標は、微細加工技術(MEMS)で作成したマイクロチャンバー上の人工膜にABCトランスポーターを再構成し、その輸送活性をリアルタイムで測定する系を確立することである。本研究では、ABCトランスポーターを平面膜に組み込む必要があるが、好熱菌のABCトランスポーターの大腸菌を宿主とした発現系の構築が必要である。先年度においてATPase活性を保持したヘテロオリゴマータイプのABCトランスポーターの発現および平面膜への膜タンパク質であるV-ATPaseの再構成の確認には成功している。
ABCトランスポーターの平面膜への再構成効率を評価するために、蛍光色素を導入した。蛍光色素ラベルによりABCトランスポーターのATPase活性が消失することはなかった。1分子蛍光観察により平面膜への組み込みを調べた。効率は悪いものの、平面膜上に タンパク質由来のものと思われる輝点を多数確認した。蛍光を持つ輸送基質の取り込みをATP存在下で調べているが、背景に比べて明確なチャンバー内の蛍光強度の増加は確認されていない。その原因の一つとしてチャンバー自体の自然蛍光があり、現在チャンバーの素材の検討を行っている。

研究成果

• [雑誌論文] Dodecamer rotor ring defines H^+/ATP ratio for ATP synthesis of prokaryotic V-ATPase from Thermus thermophilus (2007)
  • 著者名/発表者名: Toei, H., Gerle, C., Nakano, N., Tani, K., Gyobu, N., Tamakoshi, M., Nobuhito Sone, N., Yoshida, M., Fujiyoshi, Y., *Mitsuoka, K., and Yokoyama, K
  • 雑誌名: The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 103 ページ: 20256-20261
  • 査読あり
• [雑誌論文] Reconstitution in vitro of V1 complex of Thermus thermophilus V-ATPase revealed that ATP binding to the A subunit is crucial for V1 formation (2006)
  • 著者名/発表者名: Imamura Hiromi, Funamoto Saeko, Yoshida Masasuke, Yokoyama Ken
  • 雑誌名: The Journal of Biological Chemistry 281 ページ: 38582-38592
• [図書] 非侵襲可視化ハンドブック -ナノバイオ・医療から情報システムまで- (2007)
  • 著者名/発表者名: 横山 謙, 他
  • 総ページ数: 1080
  • 出版者: NTS 出版