研究課題/領域番号 |
18657045
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
船越 祐司 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 基礎科学特別研究員 (30415286)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | non-coding RNA / poly(A)鎖 / 翻訳 / TLC1 / テロメアーゼRNA / poly(A)鎖分解酵素 |
研究概要 |
mRNAのポリ(A)鎖は、翻訳の活性化やmRNAの安定性制御において機能する。先に我々は、翻訳終結と共役してポリ(A)鎖が分解されること、また、その分子機構を明らかにしてきた。一方、蛋白質をコードしないnon-codingRNA(ncRNA)の中にも、ポリ(A)鎖をもつものが存在し、mRNA様ncRNAともよばれる。これらはポリ(A)鎖の他にキャップ様の構造をもつなどmRNAと類似した構造をもつものの、蛋白質合成の鋳型とならず、RNA自身が機能性分子として働く。近年多くのmRNA様ncRNA同定され、個々の機能について明らかにされてきているが、構造上の特徴であるポリ(A)鎖の機能と分解機構については不明である。本研究では、mRNA様ncRNAのひとつ酵母テロメアーゼRNA(TLC1)に着目し、ポリ(A)鎖の役割、分解機構について解析を行い、以下の知見を得た。1、TLC1はポリ(A)型の前駆体からポリ(A)をもたないTLC1 RNAへと成熟化する。出芽酵母における2種のmRNAポリ(A)鎖分解酵素Ccr4およびPANの破壊株、また、5'方向あるいは3'方向からのエキソヌクレアーゼを阻害した株においてTLC1の動態を解析したところ、Ccr4破壊株において分解抑制によるポリ(A)型TLC1 RNAの蓄積が認められた。2、mRNAは翻訳終結と共役してポリ(A)鎖が分解される。TLC1 RNA上には短いながらも翻訳領域となりうる配列が存在することから、翻訳との関連性を検討したところ、翻訳抑制によりポリ(A)型TLC1 RNAの安定化が認められた。また、TLC1 RNAの翻訳の場であるポリソームへの局在を示唆する結果も得られた。以上より、TLC1は翻訳(リボソームの通過という意味まで含めた)されることでCcr4によりポリ(A)鎖が分解され、成熟型TLC1へと変換していくと考えられる。
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