研究課題/領域番号 |
18657046
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船津 高志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00190124)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 1分子計測 / 1分子操作 / 表面増強ラマン散乱 |
研究概要 |
生体分子内部の特定領域の構造変化や化学結合に関する情報を1分子レベルの高感度で検出することは従来の技術では困難であった。これを解決するため、本研究では、生体分子の特定の部位に光吸収物質を結合させ、表面増強共鳴ラマン散乱を利用して光吸収物質の近傍の化学結合に由来するラマン散乱の信号を1分子レベルで検出し、生体分子の局所的な構造情報を得ることを目的とした。従来はモル吸収係数の大きなローダミンやCy3などが用いられていたが、生体分子に結合していなくても蛍光を発するため、これが表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルを計測する際の妨げとなっていた。また、これらの色素のラマン散乱スペクトルには固有のたくさんのピークが存在するため、これと色素に結合した生体分子のラマン散乱スペクトルのピークとを分離することが困難だった。これを解決するため、蛍光誘導体化試薬4-fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole(NBD-F)を用いることにした。NBD-Fはアミノ酸やタンパク質に結合して初めて蛍光を発するため、溶液中に未反応のNBD-Fが存在してもラマン散乱スペクトルの測定の妨げになりにくい。また、ピークの数も少なく1000cm^<-1>以下には主要なピークが見られず、アミノ酸やタンパク質の表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルの測定に適していた。NBD-Fの吸収波長である488nmのレーザーにて試料を励起し、冷却CCDカメラを使用して積算時間5秒で表面増強共鳴ラマン散乱スペクトルを得た。生体分子の同定法への応用の第一歩として、NBDとフェニルアラニンを結合させ、特徴的な約960cm^<-1>のピークを検出することに成功した。
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