研究課題
萌芽研究
量子ドット(Qdots)とポリクローナルおよびモノクローナル抗体の結合方法を確立した。結合効率は、細胞をQdot結合抗体で染色する細胞染色法により調べた。この染色は蛍光標識二次抗体を使用せずに可視化することが可能である。Qdot結合抗体は迅速で効果的な染色に適していただけでなく、高解像度かつ光安定性の高い画像を得ることができた。次に、ヒト細胞における抗体のインターナリゼーションを試行し、モータリンタンパク質に対する抗体がインターナリゼーション特性を有することを確認した。コントロールとして様々なタンパク質に対する抗体を用いたが、モータリンのようなインターナリゼーションは示さなかった。抗モータリン抗体のインターナリゼーションは、様々なヒト癌細胞において確認された。このインターナリゼーションがアーチファクトでなく、特異的な表現型であることを確認するために、パルス・チェイス実験、細胞のリアルタイムイメージング、3D再構成解析を含む様々な対照実験を行った。その結果から、我々のインターナライズ抗体が細胞内にQdotsを取り込むことができることを明らかにした。さらに、Qdotsは複数の分裂後においても細胞内で観察されたことより、in vitroおよびin vivoにおける細胞の長時間画像解析に適していることが認められた。Qdotsの毒性は様々な構造および機能解析により調べ、我々のインターナライズ抗体が細胞に対し毒性がないことを確認した。本研究予算により、長時間画像解析に用いることができるインターナライズQdotsを産出することができた。本研究成果は、国際学術誌に2報、国内および国際学会においても発表し、非常に高い評価を得ることができた。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Biochem. Cell Biol. 85
ページ: 133-140
Ann. N. Y. Acad. Sci. 1067
ページ: 469-473