配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
雌ヘテロ型(ZZ/ZW型)の性染色体構成をもつエゾサンショウウオ(Hynobius retardatus)において、性腺未分化時の幼生個体の遺伝的な雌雄を識別するための分子マーカーを開発する目的で、W染色体ヘテロクロマチン領域の反復配列のクローニングを試みた。数種の制限酵素で消化したゲノムDNAの電気泳動を行い、検出された反復配列のDNAバンドから得られたフラグメントを用いて染色体マッピングを行った結果、1対の常染色体対とW染色体のヘテロクロマチン領域に強いシグナルが検出されるクローンを得た。得られたクローンのシグナルは18S-28S rRNA遺伝子の位置と一致していたが、塩基配列を決定したところ18S-28S rRNA遺伝子のコード領域とは異なっていた。したがって、このDNAフラグメントは、18S-28S rRNA遺伝子の重複とともに増幅したスペーサー配列と考えられた。現在、W染色体特異的マーカーを得るため、この配列を含むゲノム領域の詳細な解析を行っている。20年度も引き続きエゾサンショウウオの卵を野外で採集し、20℃(対照群)と28℃(高温処理群)の条件下で飼育した、孵化後0,10,15,20,25,30,45,60日の幼生から性腺組織をサンプリングし、凍結保存を行った。これらを用いて、RT-PCR法によって性分化関連遺伝子(P450 aromatase, DMRT1,SF-1)の発現解析を行った結果、孵化後15-30日の高温処理によって遺伝的な雄個体の性腺が雌化するのに伴って、P450 aromataseとDMRT1の発現パターンが大きく変化することを明らかにした。一方、SF-1では大きな変化は見られなかった。今後は、発現パターンの変化を経時的に詳細に調べるとともに、AR,SOX3,SOX9についても同様の解析を行う。
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