研究課題/領域番号 |
18658022
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用昆虫学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
姜 媛瓊 独立行政法人理化学研究所, 松本分子昆虫学研究室, 専任研究員 (30291917)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | バキュロウイルス / BmNPV / ウイルス粒子 / 核内特定領域 / 相互作用 |
研究概要 |
主にチョウ目の昆虫を宿主とするバキュロウイルスは、環状の二本鎖DNAをゲノムとしてもち、宿主細胞自身のゲノム複製や遺伝子発現が厳しく制御されている核内で増殖を行うウイルスである。細胞に侵入したバキュロウイルスは、増殖に適した環境を整えるため宿主の様々なシステムを巧みに乗っ取ると考えられるが、その詳細は未解明なままである。本研究では、バキュロウイルスが行う宿主制御機構の一端を調べるため、ウイルス粒子に注目し、バキュロウイルス粒子にゲノムDNA以外の核酸であるRNAが含まれるか否かを検討することを目標としている。そのため、カイコを宿主とするバキュロウイルス(BmNPV)の粒子よりRNAの抽出を試みたが、RNAの存在を確認することができなかった。ウイルス粒子にはRNAが含まれていない、または含まれるものの超微量である、という両方の可能性が考えられるので、用いるウイルス量を増やし、RNA抽出を行う予定である。そこで、他の側面よりも宿主制御機構の解析を試みることにした。バキュロウイルスは核内の特定領域で複製を行うと考えられているが、この場所についてはあまり解析されておらず、特に関わっている宿主側の因子などについては全くわかっていない。そこで、BmNPVの増殖場所に局在するORF8と相互作用する宿主側のパートナーの探索を行った結果、総7つのクローンが得られた。酵母2-ハイブリッド法を用いて、相互作用の再現性の確認を行った結果、ORF8のN末端側半分がこれらの相互作用に大事であることがわかった。また、得られた宿主クローンの塩基配列においての特徴やウエスタン解析より、多くが細胞間のシグナルに関わるタンパク質である可能性が示唆された。そこで、阻害剤処理やRNAiによりそれぞれの宿主因子の発現抑制を施すと、ウイルスの侵入が影響を受けることが示唆された。
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