研究課題/領域番号 |
18658045
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 独立行政法人農業技術研究機構 |
研究代表者 |
今井 亮三 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・低温耐性研究チーム, 主任研究員 (90291913)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | トレハロース / 病害抵抗性 / エチレン / ジャスモン酸 / イネ |
研究概要 |
リアルタイムPCRを用いてイネの全トレハロース生合成遺伝子の発現解析を行った。開花後の穎花では、全TPS、TPPの発現は低レベルであったが、花粉形成の進行に伴い、葯組織におけるOsTPP1の発現量の上昇のみが見られた。また、トレハロース加水分解酵素遺伝子の発現が花粉成熟段階の葯組織において一時的に誘導された。これらの結果から、花粉形成におけるトレハロース生合成系の厳密な制御機構の存在が示唆された。幼苗期におけるTPS、TPPの低温、塩、乾燥応答を解析したところ、いずれのストレスに対してもOsTPP1のみが一過的な強い発現誘導を示した。また、低温、塩処理により主にOsTPS1、OsTPS4が一過的な誘導を示した。これより、環境応答においてトレハロース生合成系が関与し、主にOsTPP1、OsTPS1、OsTPS4が制御していることが示唆された。また、OsPP1を過剰発現するイネを作出した。過剰発現系統では葉身が伸び、葉が垂れ下がり、穂長の増大も観察された。また過剰発現系統では何れも内生トレハロース含量が2-5倍程度増大していた。マイクロアレイ解析により、過剰発現体においては光合成関連の遺伝子が総じて発現抑制されていた。これらの効果はトレハロース前駆体のトレハロース6リン酸の減少に起因している可能性が高い。興味深いことに、OsPP1過剰発現体においてはいもち病抵抗性が増大していた。本結果はトレハロースが病害抵抗性応答における内生のシグナルとして認識されている可能性を指示するが、今後の詳細な検討が待たれる。
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