研究課題
萌芽研究
平成19年度はダイズ種子貯蔵タンパク質の高次構造形成に関わる小胞体タンパク質を同定し、それらの構造・機能解析及び発現パターン解析を行った。まず、アレイ解析による小胞体タンパク質品質管理関連タンパク質を探索した。その結果、約480種の遺伝子を選別した。これにより得られた情報を植物の遺伝子データベース(TIGRダイズESTクローン情報、TAIR Arabidopsis thalianaゲノム情報等)上でFASTAホモロジー検索によりパラログ遺伝子を探査し、高次構造形成に関わるタンパク質12種類を同定した。TIGRダイズESTクローン情報を元にデザインしたプライマーを用いて、13種類の遺伝子のcDNAをクローニングし一次構造を明らかにした。さらに、6種類の遺伝子についてゲノム遺伝子をクローニングし、エキソン・イントロン構成を明らかにした。クローニングしたcDNAを用いてリコンビナントタンパク質の大腸菌での大量発現、純化、抗体作製を行った。ダイズ種子登熟過程におけるmRNA及びタンパク質の発現推移を明らかにした。これらのうち、プロテインジスルフィドイソメラーゼファミリータンパク質7種について、酵素活性及び分子シャペロン活性を測定し、5種類に酵素活性を6種類に分子シャペロン活性を検出した。さらに、未熟大豆種子を用いて免疫沈降実験を行い4種類のプロテインジスルフィドイソメラーゼファミリーがグリシニンの前駆体と小胞体で会合していることを証明した。また、3種類はβコングリシニンとも会合し、これら主要種子貯蔵タンパク質の高次構造形成への関与を世界に先駆けて証明した。
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FEBS Journal 275
ページ: 399-410
FEBS J. 274
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FEBS Journal (in press)