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アクアポリンと葉脈による葉の通水および光合成特性への効果

研究課題

研究課題/領域番号 18658067
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 林学・森林工学
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

石田 厚  独立行政法人森林総合研究所, 植物生態研究領域, 室長 (60343787)

研究分担者 原山 尚徳  独立行政法人森林総合研究所, 植物生態薪究領域, 研究員 (60353819)
研究期間 (年度) 2006 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード水チャンネル / アクアポリン / 光合成 / 気孔コンダクタンス / 孔辺細胞 / 塩化水銀 / 阻害剤 / 通水性 / 気孔コンダクダンス / 気孔開度 / 葉脈
研究概要

今まで細胞膜は単なる半透膜と言われていたが、近年アクアポリンと呼ばれる膜タンパク質が細胞膜の水の透過性を決めることがわかってきた。アクアポリンはすべての生物の生体膜上に存在し、水分子を超高速輸送する物質であり、アクアポリンの存在によって、生体膜の水透過性は数十倍にも増加する。またアクアポリンの活性や量は、環境ストレスによって変化することも知られているが、今まで作物を用いた遺伝子レベルでの研究が中心であった。また近年、葉内の水移動経路の通りやすさ(葉の通水性)が、気孔開度や光合成速度に影響を及ぼすことが明らかになってきている。この課題では、樹木の葉の水移動経路の重要な部分を占める葉脈部分の通水性の変化と、アクアポリンの活性や量で制御される葉細胞の生体膜(細胞膜や液胞膜)の通水性の変化が、葉全体の通水性や光合成特性に与える影響を明らかにした。水利用様式の異なる樹種において、いくつかのパターンで葉脈の通水を遮断し、葉の通水性と気孔コンダクタンスの変化を調べた。いずれの樹種においても、葉の通水性の低下に従い、気孔は閉鎖した。このことは、葉脈道管のエンボリズム(閉塞)の生じやすさが、気孔開度や光合成速度を大きく律速することを示す。またアクアポリンの阻害剤である塩化第二水銀を葉に吸わせて、葉の通水性、気孔コンダクタンス及び光合成速度の変化を、常緑広葉樹2種と落葉広葉樹2種で調べた。アクアポリンの機能を阻害すると葉の通水性が10-30%、気孔コンダクタンスは5-20%低下し、葉の通水性の低下割合が高い樹種ほど気孔コンダクタンスや光合成速度の低下の割合が高かった。また気孔コンダクタンスの高い樹種で、アクアポリンがより多く機能していた。すなわち水消費の多い樹種で、葉内アクアポリン活性の変化により積極的な水分調節を行っていることが示唆された。

報告書

(3件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 減圧チャンバー法を用いた葉の通水コンダクタンスの測定2009

    • 著者名/発表者名
      原山尚徳, 上村章, 石田厚
    • 雑誌名

      日本生態学会誌 59(印刷中)

    • NAID

      110007161310

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小笠原乾燥尾根部に成育する植物の葉と茎の生理生態学的特性2009

    • 著者名/発表者名
      石田厚, 中野隆志, 矢崎健一, 松木佐和子, 山路恵子, 清水美智留, 山下直子
    • 雑誌名

      小笠原研究 34

      ページ: 9-31

    • NAID

      110008439014

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [雑誌論文] コナラ属3種における葉のガス交換と通水コンダクタンスの季節変化2008

    • 著者名/発表者名
      原山 尚徳、石田 厚
    • 雑誌名

      日本森林学会関東支部論文集 59

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Seasonal variations in water relations in current-year leaves of evergreen trees with delayed greening2006

    • 著者名/発表者名
      Harayama H., Ikeda T., Ishida A., Yamamoto S.
    • 雑誌名

      Tree Physiology 26・8

      ページ: 1025-1033

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] タイ熱帯季節林樹木における枝と葉の通水性の季節2009

    • 著者名/発表者名
      原山尚徳, Phanumard LADPALA, Sapit DILOKSUMPUN, 石田厚
    • 学会等名
      日本森林学会第120回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] ブナ科4種におけるアクアポリンを阻害した葉の通水性とガス交換2008

    • 著者名/発表者名
      原山 尚徳、石田 厚
    • 学会等名
      日本森林学会第55回大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 熱帯性稚樹の光強度の増加にともなう水利用の馴化特性2007

    • 著者名/発表者名
      石田 厚、清水 美智留
    • 学会等名
      日本熱帯生態学会第17回大会
    • 発表場所
      高知城ホール
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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