研究課題/領域番号 |
18658092
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業環境工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
猪股 宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10168479)
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研究分担者 |
渡邉 賢 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (40312607)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 海洋資源 / 植物 / 農業工学 / バイオリアクター / 微細藻類 / CO2濃度 / 脂肪酸生産 / 酸素フリー培養 / 増殖速度 |
研究概要 |
本研究では、循環型社会構築に欠かせない将来的な資源作物となりうる「微細藻類」を連続的に生産する新規高圧バイオマス・プロセス構築の基礎を築くとともに、高圧環境での微細藻類生育挙動の検討を通して生物工学に対して新たな学術的知見を与えることを目標とした。平成19年度は、前年度と同様に高いCO_2固定能を有し高密度培養を可能とする緑藻Chlorococcum littorale(以下C. littorale)からのエネルギー成分(糖質・脂質)の生産に着目して、その生産性の観点からC. littoraleの資源作物としての可能性を検討した。プロセスの構築における代謝物生産の制御に関して、本研究ではガス成分ならびに前年度の知見である培地N源濃度の依存性を実験的に検討した。 O_2とCO_2の分圧を制御するとともに、増殖に与えるイオンクロマトグラフィーを用いた培地成分の定量分析を行った。その結果、増殖に与える培地中N源(硝酸イオン)の影響は極めく、細胞濃度と硝酸イオンには負の線形関係が成立することが示された。すなわちN源の欠乏とともに増殖が停止、さらには細胞が肥大化する傾向となり、O_2濃度の増加に伴い特に澱粉質の糖質割合が増加することを実証した。さらに、C. littoraleの脂肪酸生産に与えるガス成分の影響を検討した結果、O_2は増殖の抑制因子とともに脂質生産の観点からは抑制因子であることが明らかになった。 以上より、従来光呼吸速度の増加により増殖速度の低下を誘因する溶存O_2が、N源欠乏下では糖質(澱粉)生産または脂質(トリグリセリド)生産の重要な制御因子となることが実証された。得られた成果を現在投稿論文としてまとめている。
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