研究課題/領域番号 |
18658102
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
実岡 寛文 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (70162518)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | フィチン酸 / ソルガム / リン酸 / 環境汚染 / 無機リン酸 / ダイズ |
研究概要 |
ソルガムは、我が国ばかりでなく世界のあらゆる国で栽培されている。ソルガムは、家畜の植物性飼料用原料であり、豚の濃厚飼料には多い場合には40%も配合されている。ソルガムにはリン(P)、Ca、Mgをはじめ、Fe、Znなどの微量元素が含まれている。このうち、Pの80%近くが有機態P化合物の一つであるフィチン酸(ミオイノシトール6リン酸)であり、これに陽イオンがキレート結合してフィチンとなる。フィチン酸やフィチンは、豚・鶏などの単胃動物では消化・吸収できないため、大量のPが吸収されずに環境へと排泄されている。本課題では、環境汚染物質であるPの家畜からの排泄量を抑制する技術を開発することを目的に以下の実験を行った。1)広島県ジーンバンクの保存種子並びに広島大学圃場で栽培したソルガム490品種・系統のフィチン態Pを調査したところ、全Pに対するフィチン態Pの割合が52から82%と大きな品種・系統間差が見られたが、フィチン割合が52%であるD21系統は低フィチンソルガムを育成する上で有望な育種素材であると考えられた。2)フィチン態Pの割合は、P施肥量を変えた様々な条件で栽培した場合でも72から78%と差はなく、P施肥量を制限することではフィチンを低くすることは不可能であった。以上の結果に基づいて3)フィチンがより低い品種を開発する目的で、フィチン態P割合の低い系統にエチルメタンスルホン酸による突然変異誘発を行なった。その結果、親品種の全Pに対する無機Pの割合が6%と低いが、変異体の中に無機Pの割合が40〜47%と個体が得られた。この種子数が少なくフィチン態Pの測定が困難であったが、一般的に無機Pとフィチン態Pとの間には負の関係があることから、この変異体は、低フィチンソルガムと考えられた。今後、この突然変異体を育成し、家畜からのP排泄量の評価を行なう。
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