研究課題/領域番号 |
18658138
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用分子細胞生物学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊東 信 九州大学, 農学研究院, 教授 (40253512)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | O-型糖鎖 / セラミダーゼ / 形質膜 / 細胞内輸送 / 糖タンパク質 / シグナル / アンカー配列 / ムチンボックス / スフィンゴ脂質代謝酵素 / 形質膜II型タンパク質 / 中性セラミダーゼ / O型糖鎖 / スフィンゴ脂質セラミドN-デアシラーゼ / 細胞内トラフィッキング / スフィンゴミエリナーゼ |
研究概要 |
細菌および無脊椎動物由来の中性セラミダーゼは分泌タンパク質であるが、ヒトを含む脊椎動物の中性セラミダーゼは形質膜II型タンパク質(N-末端を細胞質内に有し、触媒部位およびC-末端を細胞外に持つ)である。それらの一次構造を比較した結果、脊椎動物由来の本酵素はN-末端のシグナル配列の直後にセリン、トレオニン、プロリンに富んだ領域(ムチンボックスと呼称)を持つが、細菌および無脊椎動物のセラミダーゼはその部位が欠失していることが明らかになった。その後の研究で、ムチンボックスにO-型糖鎖が付加されることが本酵素の形質膜II型への変換に必須であることが明らかになった。また、このムチンボックスおよびシグナル配列を可溶性のタンパク質のN-末端に付加すると可溶性タンパク質は膜結合型となることも明らかにした。この方法を利用して、様々なレクチンやスフィンゴ脂質代謝酵素を膜結合型に変換できることを示した。例えば、スフィンゴミエリナーゼを膜結合型にすると形質膜のスフィンゴミエリンを分解し、セラミド量が増大することを明らかにした。ムチンボックスが付加されとTGNから形質膜への小胞移行の途中でプロテアーゼの作用を受けにくくなり、そのため可溶性タンパク質にならずに形質膜II型タンパク質になるのではないかと予想し、そのプロテアーゼの同定を試みた。しかし、今回調べた既存のプロテアーゼ阻害剤をセラミダーゼを過剰発現したHEK293細胞の培地に加えてもb-セクレターゼを過剰発現させてもセラミダーゼの分泌に変化せず、ムチンボックスを切り離すセラミダーゼの同定には至らなかった。一方、付加された糖鎖の構造を推定するためにセラミダーゼのレクチンブロッティングを行ったところ、PNAレクチンで特異的に染色されることが明らかになり、Galbl-3GalNAcというコアI型の糖鎖を持つことが明らかになった。
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