• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

二本鎖脂質分子の膜内での化学合成によって誘起される膜の形態変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18659006
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 化学系薬学
研究機関神戸学院大学

研究代表者

国嶋 崇隆  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10214975)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード膜融合 / セラミド / 脱水縮合 / スフィンゴシン / リポソーム / 脂質合成
研究概要

膜融合と言う基本的な生命現象を,酵素や融合タンパクなどの生体由来物質を一切使用せず,完全な化学反応だけで引き起こすことを計画実施した.開発を目指すシステムは,融合の分子機構解明や新しい薬物送達システムの構築などに役立つ技術を提供するものと期待できる.
今年度は前年度の成果に基づいて主に共焦点レーザー顕微鏡を用いて膜の形態変化について研究を実施し,以下のような成果を得た.
(1)まず初めに生成系の膜の物性解明を目的として以下のような実験を行った.すなわち生成物となる擬似セラミドとレシチンの割合を種々変えて,薄膜法によって形成された多重膜を超音波処理したとき生成する1枚膜ベシクルの大きさあるいは分子集合体の形態を観察した.その結果,擬似セラミドの割合とベシクルのサイズとの間に相関性が見られることが分かった.このことは臨界充填パラメータの大きな脂質を含むほどサイズの大きなベシクルが安定になることを示しており,当初の予想通り,反応によって誘起される曲率変化が膜融合の起動力であることが示唆された.また,擬似セラミドの割合を大きくすると膜がその形態を保てなくなることが明らかとなった.
(2)上記で得られた知見に基づき,融合に最適な脂質割合において擬似セラミド合成によって引き起こされる膜の形態変化を検討した。その結果,対照群と比べ3時間で数μmの大きなサイズのベシクルが数多く生成することが観察された.反応時間を更に延長すると20μm以上の長さの棒状の膜が生成した。球状ではない形態の膜の生成理由として使用している擬似セラミド分子に固有の現象かあるいは内水相の容積減少によるものかは今後の検討課題であるものの,元来,神経細胞にセラミド型の脂質が多いことが知られている点で,前者に起因するものであればこの形態変化は非常に興味深い.

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 反応場の特性を基盤とする反応制御と実用的試薬の開発研究2008

    • 著者名/発表者名
      国嶋 崇隆
    • 雑誌名

      薬学雑 3(印刷中)

    • NAID

      110006646597

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Spontaneous Membrane Fusion Induced by Chemical Formation of Ceramides in a Lipid Bilayer2006

    • 著者名/発表者名
      M.Kunishima et al.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 128

      ページ: 14452-14452

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [学会発表] 生体分子を標的とする特異的アミド化反応2008

    • 著者名/発表者名
      国嶋 崇隆
    • 学会等名
      日本薬学会第128年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-27
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [学会発表] 界面を反応場とする脱水縮合反応2007

    • 著者名/発表者名
      国嶋 崇隆
    • 学会等名
      平成19年度第1回粉体接合研究会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2007-06-27
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [図書] 化学フロンティア19創薬をめざす有機合成最前線, 宍戸宏造, 新藤充編策1章トリアジン誘導体を用いた脱水縮合反応2007

    • 著者名/発表者名
      国嶋 崇隆(分担執筆)
    • 出版者
      化学同人
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書

URL: 

公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi