研究課題/領域番号 |
18659031
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境系薬学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平田 收正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30199062)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | フィトケラチン / コンフォメーション病 / アミロイドβ / αクリスタリン / タンパク質凝集 / 亜鉛 / 銅 |
研究概要 |
アルツハイマー病や白内障などのコンフォメーション病においては、亜鉛や銅といった必須金属の局所的な濃度上昇が病因となるタンパク質凝集を惹起することが知られている。形成された凝集体は活性酸素を活発に生成することにより重篤な細胞傷害を起こすとともに、さらなるタンパク質凝集を誘発する。 本研究では、こういったコンフォメーション病の新規治療・予防薬の開発を最終的な目的として、高等植物において重金属の解毒や細胞内濃度調節、さらには活性酸素の消去を担うことが知られている低分子ペプチド、フィトケラチン(PC)のタンパク質凝集に対する溶解および形成抑制作用について解析を行った。 本年度は、PCのアミロイドβ及びαクリスタリンの凝集に対する作用について詳細な検討を行った。その結果、 1)PCは、亜鉛によって惹起されたアミロイドβの凝集に対して、本疾病の治療薬として期待されるクリオキノールよりも優れた溶解能を持つことが示された。またこの溶解作用は、凝集体から亜鉛を引き抜くことによって起こることが明らかとなった。 2)PCは、亜鉛によって惹起されるαクリスタリンの凝集を抑制する作用を持つが、一旦形成された凝集体に対しては、溶解作用や低分子化作用をほとんど示さないことが明らかとなった。 3)PCの合成基質であるグルタチオンには、アミロイドβ凝集体溶解作用及びαクリスタリン凝集抑制作用は全く認められないことが明らかとなった。 これらの結果は、PCをアルツハイマー病や白内障などのコンフォメーション病の治療薬あるいは予防薬として応用できる可能性を示唆するものである。今後は分子レベルでの作用メカニズムについてさらに解析を行うとともに、動物実験を用いたこれらの作用の評価を行う予定である。
|