研究課題/領域番号 |
18659098
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
北村 均 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20094302)
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研究分担者 |
矢澤 卓也 横浜市立大学, 医学研究科, 准教授 (50251054)
下山田 博明 横浜市立大学, 医学研究科, 助教 (60381472)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | IGFBP-2 / 肺癌 / Promoter / NeuroD1 / 小細胞癌 / 腺癌 / 扁平上皮癌 / 大細胞癌 / インスリン様増殖因子結合蛋白2 |
研究概要 |
肺小細胞癌において高発現するインスリン様増殖因子結合蛋白2(IGFBP-2)の発現機序及び機能解析を行うことを目的とし、前年度の研究結果を受け、本年度は肺小細胞癌におけるIGFBP-2蛋白の腫瘍マーカーとしての有用性の検討を行った。まず、病理学的診断のため作成された肺癌組織のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用い、14症例の小細胞癌、67症例の腺癌、15症例の扁平上皮癌、14例の大細胞癌について、癌細胞におけるIGFBP-2の発現状態を免疫組織化学的に検討した。その結果、小細胞癌全例において高度のIGFBP-2発現が認められた。一方、大細胞癌では殆どの症例でIGFBP-2発現の減弱している症例が多く見られ、腺癌や扁平上皮癌においてもIGFBP-2発現の減弱している症例が見られた。次に、肺癌患者血清中に含まれるIGFBP-2についてELISA法による測定を行った。その結果、stage IやIIといった早期肺癌症例においては、非小細胞癌症例に比して小細胞癌症例で有意に血清IGFBP-2が高値を示しているというデータは得られず、むしろ扁平上皮癌症例や腺癌症例に血清IGFBP-2上昇例が多く見られた。しかしstage IIIやstage IVといった進行肺癌症例においてはその傾向が逆転し、小細胞癌症例における血清IGFBP-2値は早期小細胞癌症例に比して上昇しているのに対し、扁平上皮癌症例や腺癌症例では進行に伴い減少していることが明らかになった。IGFBP-2発現低下の原因をIGFBP-2プロモーターの過メチル化に求め、メチル化特異的PCR法を用いて検索してみると、小細胞癌症例ではメチル化が検出されなかったが、非小細胞癌症例では多数の症例でメチル化が検出された。以上より、血清IGFBP-2の測定は、小細胞癌の病勢を示すマーカーになりうることが明らかになった。
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