研究課題/領域番号 |
18659106
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
八木橋 操六 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40111231)
|
研究分担者 |
和田 龍一 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20260408)
水上 浩哉 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00374819)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | ポリオール代謝 / アルドース還元酵素 / アルドース還元酵素阻害薬 / 虚血・再灌流 / 全身性炎症反応症候群(SIRS) / 急性腎不全 / 酸化ストレス / 新規治療法 |
研究概要 |
感染症、虚血・再灌流障害などにより組織壊死が生じた場合、強い炎症反応が惹起され、全身性炎症反応症候群(SIRS)として腎不全が誘発され重篤な病態に陥る。現在、有効な治療法がないため効果的な薬剤の開発が必要とされている。私共はこれまでの実験から、SIRS誘発腎不全の病態にアルドース還元酵素(AR)を介したポリオール代謝が関与することを以前の実験から示してきた。今回、下肢虚血・再灌流によって惹起したSIRS病態に対し、AR阻害薬(ARI)が有効か否か、またARノックアウトマウス(AR-KO)ではSIRS病態が回避できるかを検討した。マウスでは下肢虚血・再灌流負荷により、下肢筋壊死とともにBUNおよびクレアチニン(Cr)高値がみられ、腎不全により死亡する。これらのマウスで虚血・再灌流負荷前および再灌流直後にARI(経口30mg/kg)投与した群ではBUN、Crの有意な低下を認めた。一方、再灌流後2時後にARIを投与した群ではBUN、Crの有意な低下をみなかった。一方、AR-KOへの虚血・再灌流負荷では、下肢の筋壊死が起こるもののBUN、Crは低値であり、やはりポリオール代謝を抑制することが腎不全の予防、抑制につながるものと考えられた。これらの結果は、早期SIRS病態においてARIが腎不全の発症を予防できる可能性を示しており、今後の臨床への応用が期待される。
|