研究課題/領域番号 |
18659141
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
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研究分担者 |
永井 重徳 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50348801)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 樹状細胞 / パイエル板 / 胃炎 / T細胞 / ノックアウトマウス / IL-17 / IFNγ |
研究概要 |
前年度に、Helicobacter pylori(以下ヘリコバクター)による胃炎の発症機構を検討し、抗IL-7受容体抗体を投与してバイエル板を欠損させたマウスにおいてはヘリコバクターに感染しても胃炎を発症しないこと、しかしこのマウスにヘリコバクターに感染した野生型のマウス由来のCD4陽性T細胞を移入することによって胃炎を発症することを明らかにし、ヘリコバクターによる胃炎の発症には腸管のバイエル板におけるヘリコバクター特異的なCD4T細胞の活性化が必要であることを示した。 ヘリコバクターは貧食に抵抗することが知られる。本年度は、本来は胃に定着するヘリコバクターがどのようにしてバイエル板を介して捕捉されるかを検討した。その結果、胃においてはラセン状のヘリコバクターは腸管へ落下すると低酸素環境下で球状(Coccoid form)に形態を変化させ、球状のヘリコバクターがバイエル板内の樹状細胞に効率良く取り込まれることを明らかにした。腸管結紮モデルを用いた解析からは、腸管へ導入したラセン状のヘリコバクターは上皮に付着するものの、時間とともに球状化し、バイエル板から取り込まれ、パイエル板内の樹状細胞によって捕捉される様子を観察することができた。以上の結果から、球状化したヘリコバクターがバイエル板から取り込まれることがヘリコバクター特異的な免疫反応の起動につながると結論した。さらに、胃炎を誘発するCD4陽性T細胞を詳細に検討し、胃炎を発症した胃の上皮内にはインターロイキン-17(IL-17)とγ型インターフェロン(IFNy)を発現するCD4陽性T細胞が多数浸潤することを明らかにした。消化管の炎症に置けるIL-17の関与が注目されるが、IFNγ欠損マウス由来のCD4陽性T細胞では炎症がほとんど誘起されないことからIFNγの強い関与が示唆された。
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