研究課題/領域番号 |
18659177
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
高野 裕久 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究領域, 領域長 (60281698)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ディーゼル排気微粒子(DEP) / 脂肪肝 / 肥満 / 生活習慣病 / 糖尿病 / 酸化ストレス / カルボニルストレス / バイオマーカー / 浮遊粒子状物質(SPM) / 高脂血症 / db / dbマウス |
研究概要 |
ディーゼル排気微粒子(DEP)の経気道曝露が「脂肪肝」に及ぼす健康影響を、生活習慣病のモデル動物を用いて明らかにすること、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に与える影響についても明らかにすること、増悪メカニズムを分子レベルで解明し、バイオマーカーを探索することを目的とした。今年度は、SPM・DEPが「脂肪肝」を増悪するメカニズムの解明とバイオマーカーの探索に関する研究を中心に研究を遂行した。生活習慣病モデルマウス(肥満、糖尿病、高脂血症を呈する)としてC57BL/KSJ db/dbマウスと、コントロールマウスとしてC57BL/KSJ db/+mマウス(5週令で導入)を用い、下記の4群で経気道曝露を施行した。1.db/+m-vehicle曝露群;2.db/+m-DEP曝露群;3.db/db-vehicle曝露群;4.db/db-DEP曝露群:vehicle、DEPの縣濁液は、6週令より24週令までをめどに、週に1回、経気道曝露を施行した。 過食と肥満は、db/dbマウスでdm/+mマウスに比較し有意に顕著であったが、DEP曝露による差はなかった。血糖やフルクトサミンも、db/dbマウスでdm/+mマウスに比較し有意に大きかったが、DEP曝露による差はなかった。肝重量や肝機能は、db/dbマウスでdm/+mマウスに比較し有意な増悪が見られ、DEPにより一層悪化した。NASHに相当する所見は24週齢までは見られなかった。 今のところ、発現遺伝子解析によっては有望なバイオマーカーは特定されていない。しかし、HELをはじめとする酸化ストレスマーカーとカルボニルストレスマーカーは、db/dbマウスでdm/+mマウスに比較し有意な増悪が見られ、DEPにより一層悪化した。DEPによる脂肪肝の増悪、カルボニルストレス、酸化ストレスの病態生理学的重要性、並びに、バイオマーカーとしての意義を明らかにした。
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