研究課題
萌芽研究
● スフィンゴ脂質合成阻害剤であるmyriocinは細胞内のスフィンゴミエリンを減少させ、HCV replicon系およびJFH-1によるHCV培養細胞系において細胞内HCV-RNA複製を抑制した。この作用はphyotosphingosineにより解除されserine palmitoiyl-transferase(SPT)の抑制がHCV増殖抑制に関与していると考えられた。siRNAによるSPTのknockdownによっても同様の効果が認められた。● MyriocinはISRE活性およびinterferon誘導遺伝子の発現には影響はなく、myriocinによる HCV抑制効果はinterferonとは独立の機序と考えられた。InterferonとmyriocinによりHCV増殖抑制に相乗効果が認められた。コレステロール合成阻害剤であるsimvastatinとmyriocinの併用によってもHCV replicon増殖に相乗的な効果が認められた。● 以上より、myriocinによるsphingomyelin合成抑制はHCV-1b repliconおよびHCV-2a細胞増殖系の両者を抑制し、新たなHCV治療標的となりうることが示された。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
J Infect Dis. 197
ページ: 361-370