研究課題/領域番号 |
18659208
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
筒井 秀作 (2007) 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10359846)
清原 達也 (2006) 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50322178)
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研究分担者 |
船橋 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (60243234)
渡部 健二 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50379244)
筒井 秀作 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10359846)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 急性膵炎 / セルレイン膵炎 / アディポネクチン / マウス |
研究概要 |
1)アディポネクチン欠損マウスにおける実験的急性膵炎の発症(筒井、渡部) アディポネクチンの不足が膵炎を悪化させるかについて知見を得るために、アディポネクチン欠損マウスおよび野生型マウス(C57BL/6J)にセルレインを用いて膵炎を発症させた。パイロットスタディとして、10-12週齢の雄マウスにセルレインを繰り返し腹腔内投与し、病理組織学的変化および血中アミラーゼ値を重症度の指標として、急性膵炎誘発の至適条件を設定した。次に食餌条件を変化させアディポネクチン欠損マウスおよび野生型マウスで比較検討した結果、高脂肪食を負荷することによって、アディポネクチン欠損マウスでは野生型マウスに比べより重症の膵炎が発症することが見出された。また、膵組織における炎症性サイトカインの遺伝子発現を解析した結果、向炎症性サイトカインやケモカインの遺伝子発現が、アディポネクチン欠損マウスでは野生型マウスに比べ有意に高いことが判明した。 2)アディポネクチン過剰発現による急性膵炎の治療効果の検討(船橋、渡部) 急性膵炎におけるアディポネクチンの治療的応用への基礎研究として、セルレイン誘発性膵炎モデルにおいて、アディポネクチン欠損マウスにアディポネクチン遺伝子を組み込んだアデノウイルスを投与し、アディポネクチンを過剰発現させてその治療的効果を検討した。その結果、アディポネクチン欠損マウスにアディポネクチンを過剰発現させた後に膵炎を誘発すると、コントロールアデノウイルス(ベータガラクトシダーゼ遺伝子を組み込んだアデノウイルス)投与群に比べ、急性膵炎の重症度が低下することを発見した。 これらのことから、実験的急性膵炎モデルにおいてアディポネクチンは重症化抑制効果を示し、急性膵炎の発症予防や重症化抑制の治療戦略において新たなターゲットとなる可能性が明らかとなった。
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