研究課題/領域番号 |
18659232
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 胚性幹細胞 / 分化 / 心血管細胞 / マイクロRNA / Dicer |
研究概要 |
本研究ではmiRNAの心血管細胞における発現や機能役割を明らかにすることを目的とした。まずmiRNAの心筋細胞、血管内皮細胞における発現プロファイルをマイクロアレイ、ノザンブロットを用いて検討し、心筋細胞、血管内皮細胞に比較的特異的に発現するmiRNAを同定した。これらのmiRNAの多くは、胚性幹細胞の心筋細胞、血管内皮細胞分化に伴い発現が増強し、miRNAの細胞種特異的な役割が示唆された。その中で、心筋、骨格筋細胞特異的に発現するmiRNA-1(miR-1)の役割をC2C12細胞の骨格筋細胞、骨芽細胞、脂肪細胞への分化をモデルとして検討したところ、miR-1は未分化では発現しておらず、骨格筋細胞分化においてのみ、その発現が著明に誘導されることを見出した。さらに成熟miR-1を過剰発現するシステムを確立し、分化に対する影響を検討した結果、骨格筋細胞分化においては初期のmyogeninの発現を促進するのみならず、成熟骨格筋のマーカーの発現を著明に増加させ、さらに骨格筋分化の特徴である細胞融合による多核の筋繊維形成を著明に促進した。しかし、骨芽細胞分化、脂肪細胞分化においてはmiR-1強制発現は影響を与えず、miR-1は、骨格筋分化の様々な過程において促進的に働くが、本来発現していない細胞種への分化を妨げないことが明らかになった。また、miRNAの細胞内生成において重要なRNase III酵素であるDicerの発現をsiRNAを用いて抑制する系を確立し、血管内皮細胞におけるDicerとmiRNA全般の役割を検討したところ、Dicer発現抑制により、内皮細胞の増殖、遊走のみならず、3次元培養による新生血管様管腔形成も著明に抑制され、内皮細胞機能の維持におけるDicerの重要な役割が明らかになった。さらにDicer発現抑制細胞における遺伝子発現プロファイルをPCRを用いたアレイで検討し、いくつか著明に発現が変動するものを同定しており、現在、その役割の解析を行っている。
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