研究課題/領域番号 |
18659293
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
木戸 博 徳島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50144978)
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研究分担者 |
山田 博司 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (30343304)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | アレルギー / 蛋白チップ / IgE / アレルゲン / アレルゲンエピトープ / ダイヤモンドライクカーボン / 食物アレルギー / 新生児診断 |
研究概要 |
近年先進国ではアレルギーが国民病として位置づけら大きな社会的な関心が集まっているがその原因物質(アレルゲン)と原因(エピトープ)の診断方法は遅れている。本研究では、アレルゲン診断の諸問題を克服する画期的な方法を提案、検討した。2.5Åのダイヤモンドの結晶格子にカルボキシル基を導入した蛋白チップの作成に関する基本設計と基本反応系の技術をこれまでに確立している。このチツプはこれまでに無い高密度集積技術が実現され、DNAで従来型の約1000倍、蛋白質で約20倍の濃密度に検体を共有結合が可能である。しかも基質と結合するカルボキシル基は、結合基板と90度の角度で垂直に整列しているため、結合する蛋白質やDNAの変性を最小限に止める事が可能である。この技術を用いて、僅かな血液(1μl)で約60検体の食物アレルゲンの診断が可能な食物アレルギーの診断チップを作成するための基礎研究を実施した。その結果、現在世界で最も良く用いられているCAPRASTが、1検体に要する血清が50μlを必要とするのに比べ、1μlで60検体が検査可能になり、血清の利用効率を約3,000倍促進した。さらに抗原特異的IgEの最低検出限界を1/5にまで下げることができ、測定の高感度化も達成できた。このような技術革新を背景に、臍帯血を用いた新生児のアレルギー診断が世界で最初に可能となった。乳幼児のアレルギーは生後3ヶ月頃より始まり、母乳を介する抗原移行に原因していることが予測されている。乳幼児でアレルギー反応がでるためには、新生児が出生時にすでにIgE抗体を持つことが原因と考えられる。今回提案した臍帯血を用いた新生児のアレルギー診断で、予め乳児のアレルギー状態を把握できると、母親の食事制限で母乳を飲んでいる乳児のアレルギーの阻止とアレルギー体質の増悪化を防ぐことができると期待された。
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