研究課題
萌芽研究
表皮水庖症を始めとする遺伝性疾患の根治的治療を可能にするためには、標的細胞の遺伝子異常部位を正常復帰させる新たな方法論の開発が必要である。我々は、以下の3つの方法論をデザインし、その遺伝子組み換え効率に関する検討を進めた。1)BACクローンを用いた高効率遺伝子組み換え法の確立:VII型コラーゲン遺伝子COL7A1領域を含むbacterial artificial chromosome (BAC)クローンを用いてCOL7A1の3'および5'末端側のそれぞれに約20kbのアームを持ったCOL7A1組み換え用BACベクターを作成した。これを用いてCOL7A1ノックアウトマウス由来の種々の細胞におけるCOL7A1領域の組み換え効率検討を進めた。2)トランスポゾンを持つ遺伝子発現ベクターの高効率DNA組み換え能を利用し、1)で作成したBAC由来COL7A1組み換えベクター内にトランスポゾン配列を挿入し、相同組み換え効率向上の可能性を検討した。3)マウス線維芽細胞株NIH3T3にGFP-EcoRI-Puro発現プラスミドベクターを導入し、ピューロマイシン存在下に培養して染色体内に安定的にプラスミドが組み込まれた細胞を選択した。次にこの細胞よりDNAを抽出し、種々の制限酵素で切断した後に、GFPおよびEcoRI配列をそれぞれ含むプライマーDNAを用いてPCRを施行し、増幅されたDNA断片の塩基配列を決定することにより、染色体内の挿入部位の同定を進めた。高頻度に遺伝子組み換えが起き、かつ遺伝子間の非機能領域にあることが予想される部位を同定し、同領域を含むBACクローンを用いて1)および2)の方法を応用した高効率相同組み換え法の開発を進めた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
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