研究課題/領域番号 |
18659331
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
三島 和夫 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・精神生理部, 部長 (40239223)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 生物時計 / 時計遺伝子 / メラトニン / 深部体温 / コルチゾール / 脱同調 / 加齢 |
研究概要 |
液性シグナル指標として視交叉上核からの直接的な神経投射を受けていないヒト単核球および多核球内におけるhPer1、hPer2、hPer3、Clock、Bmall、Timeless、Cry1、Cry2、Dec1、Dec2の10種類の時計遺伝子群、及び、内部標準補正用のβ-actinの発現定量法を確立した。また、摂食、加齢による遺伝子発現パターンの変化を検討した。 ヒト末梢循環白血球においても上記の時計遺伝子ループを構成する主要遺伝子群すべての転写発現が認められた。hPer1、hPer2、hPer3では暗期から明期への移行期に転写リズム頂点位相が集中していた。その他の時計遺伝子群では末梢単核球における発現には有意な慨日変動は認められなかった。60代健常被験者管での比較により、生理機能リズム及びSCNからの直接的な神経投射を受けない末梢循環単核球におけるゐhPer1、hPer2、hPer3転写リズムの同調位相に有意な年齢群間差が生じていなかった。同調生活下では一日三食摂取群、カロリー分散摂取群との間に乃hPer遺伝子群発現パターンの有意な差異は認められなかった。一方で、視交叉上核障害モデルであるアルツハイマー型認知症患者群では、進行期の患者ではhPer遺伝子群のピーク位相に有意に大きいばらつきがあり、内的脱同調の存在が示唆されたが、定時の経口摂食群と経鼻栄養群との間にhPer遺伝子群発現パターンの有意な差異は認められなかった。これらのことから、光同調化にあるヒトの末梢単核球内の時計遺伝子転写サイクルは、摂食パターンによる影響は軽微にとどまっているものと推測された。消化器系細胞などカロリー摂取の影響の大きい組織・細胞群とは異なった非光同調機序が存在するものと思われる。
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