研究課題/領域番号 |
18659365
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川口 義弥 京都大学, 医学研究科, 助教 (60359792)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 膵管内乳頭腫瘍 / IPMN / PDX1 / 膵細胞 / 分化 / pdx1 / 転写因子 / 膵癌 |
研究概要 |
本研究では膵管内乳頭腫瘍を「粘液産生能の獲得という分化の異常を伴った腫瘍化」ととらえ、膵発生過程におけるPDX1の機能との重複に着目し、疾患の原因ないし進展にPDX-1が関与するという仮説をたてた。本年度は、まず本研究課題の発想の端緒となった発生過程における外分泌特異的PDX-1ノックアウトマウスの解析を完遂した。Elastase-Creを用いて胎生期より外分泌細胞特異的にPDX-1をノックアウトすると、腺房細胞の増殖能低下を来し、生後膵は著明な低形成を呈した。これは以前に発表した胎生期PDX-1がVater乳頭部近傍の十二指腸粘膜の増殖・生存に必須であるという結果(Gastrenterology:130(3):855-67.2006)と矛盾しない結果であった。興味深いことに、PDX-1を不活化した細胞は、lineage tracingの結果、膵管様細胞へと運命転換をしていた(論文投稿準備中)。すなわち、PDX-1は初期膵形成や膵・十二指腸上皮細胞の増殖に必要であるだけではなく、細胞の運命決定(維持)にも重要な働きをしているという仮説を支持する結果を得られた。本研究で提案したptflaプロモーター下にPDX-1を強制発現させることにより、ヒト膵管内乳頭腫瘍類似病変を示すマウスの解析は病変形成まで14ヶ月程度かかるため、まだ十分な個体数の検討を経て結論を出すに至っていない。今後も本研究を続行する方針である。
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