研究課題/領域番号 |
18659372
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 雅史 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30372741)
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研究分担者 |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Hedgehog / Patched1 / 抗体 / 膵癌 / Gli1 / 癌 / 増殖抑制 / 乳癌 / 分子標的 / 抗体治療 / 細胞増殖 |
研究概要 |
H18年度に作成した乳癌・膵癌等で活性化しているHedgehogシグナル(Hh)上の受容体抗Ptch1抗体(Ptch-Ab)のシグナル抑制機能を、ルシフェレースアッセイで検証した。Hhシグナルが活性化している細胞にGli1の転写活性測定用プラスミドを導入し、Ptch-Abと供に24時間共培養した。その後、ルシフェラーゼ活性を測定した。Ptch-Ab存在下ではGliの転写活性が低下していたが、コントロールのIgG存在下ではこの傾向を認めず、Ptch-Ab特異的なHhシグナル抑制効果を確認できた。また、Hhシグナルが活性化していないDLD1ではPtch-Abによる影響を認めず、Hhシグナル依存性癌細胞に対する特異性も確認できた。さらに、Hhシグナルの標的遺伝子であるGli1の活性化状態をreal time RT-PCRで計測した。膵癌細胞株Panc-1では、定常状態でGli1のmRNAが高発現している。Ptch-Ab存在下では、Gli1-mRNA発現量が低下しPtch-Abによるシグナル抑制機能が証明された。癌細胞株の増殖抑制効果は、Ptch-Ab存在下培養での細胞数で確認された。Panc-1細胞は、Ptch-Ab存在下で培養することで、細胞数がコントロールに比較し20%減少した。さらに別の膵癌細胞株SUIT-2でも確認され、Ptch-Ab存在下4日間培養で細胞数は、抗体の濃度依存性に減少した。 以上より、Ptch-Abにより、Hh依存性増殖を示す腫瘍細胞の増殖活性制御が可能であることが示された。今後、ハイブリッド抗体や親和性ペプチドを作成することで、臨床応用へ向けた研究を続ける予定である。
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