研究課題/領域番号 |
18659386
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武冨 紹信 九州大学, 大学病院, 助教 (70363364)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 肝臓外科学 / ジアシルグリセロールキナーゼ / C型肝炎 / 肝細胞癌 / C型肝炎ウイルス |
研究概要 |
(1)肝細胞癌切除症例における免疫組織学的および分子生物学的検討:「HCVを原因とする肝発癌過程にDGKθはPI3キナーゼおよびPKC等のシグナル伝達因子を制御する事により関与している」という仮説を証明するため、まず、臨床的にDGKθ発現と肝細胞癌との関連性を確認するため、肝細胞癌切除症例を対象にRT-PCR法(19例)および抗DGKθ抗体を用いた免疫組織染色(58(H18年度)→112例(H19年度))を行った。(1)非癌部及び癌部組織から抽出したtotal RNAを使用してRT-PCRを行ったところ、12例(63%)の症例で癌部においてDGKθmRNAの発現が低下していた。(2)免疫組織学的検討では50%以上の肝癌細胞にDGKθ発現が認められる高発現群(n=33)と50%未満の肝癌細胞にしか発現を認めない低発現群(n=79)の2群にわけ検討したところ、年令・性別・肝炎ウイルスタイプ・肝機能・手術侵襲・腫瘍径などに関しては2群間に差を認めなかった。組織学的には高発現群における高・中分化が85%であったのに対し、低発現群では59%と組織学的分化度が低下する事が明らかとなった(p<0.05)。なお、生存率及び無再発生存率には両群間に有意差を認めなかった。肝癌組織分化度の低下とともにDGKθの発現が亢進していたことから、肝癌細胞の脱分化にDGKθ発現が関与している可能性が示唆された。 (2)DGKθとHCV-NS5Aタンパク質およびPI3キナーゼの結合能の検討:DGKθとHCV-NS5AおよびPI3キナーゼp85αとの結合およびその結合部位を検討するため、機能ドメイン毎のDGKθおよびcystein-rich領域に変異を挿入したGFP融合DGKθ発現ベクターを作成した。さらに、DGKθ遺伝子配列よりsiRNA標的部位をコンピュータにて検討した。今後これらを使用し、肝癌細胞におけるDGKθの機能解析を進めていく予定である。
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