研究課題/領域番号 |
18659403
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
仁科 健 京都大学, 医学研究科, 助手 (30314214)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インターフェロンγ / 拡張型心筋症 / ゼラチンハイドロゲルシート / TGF-β / 心筋線維化 |
研究概要 |
1.至適INF-γ徐放シートの作成 徐放のための基材として硫酸基導入型ゼラチンハイドロゲルを用いシートを作成した。含水率を調節した結果98.8器のものが実験には至適であった。このシートにIFN-γを含浸させることにより約2週間の徐放効果が得られることが明らかとなり、下記の動物実験に使用した。 2.拡張型心筋症ラットモデルにおける実験 ブタ心筋より精製したミオシンを、週齢5週のルイスラットの足甲部に皮下注射し自己免疫反応を惹起して心機能障害を誘発させ、6週間後に拡張型心筋症モデルを完成させた。 拡張型心筋症モデルラットを全身麻酔下に開胸しシートを心外膜上に貼り付けた。このとき動物を次のように3群に分けた。徐放化IFN-γシートを心外膜上から投与する群(治療群)をIFN-γの濃度を変えて2群(A群:IFN-γ10000単位、B群:IFN-γ1000単位、各群n=10)と、生食のみを含ませたシートを心外膜上においた群(C群:対照群、n=10)である。4週後に心機能評価を行った結果、心エコー上、左室拡張末期径は各群で差を認めなかったが、左室内径短縮率はA群44.9±2.9%(mean±SD、以下同様)でありC群(対照群)の36.1±5.2%と比較して有意に高く、左室内腔面積変化率は群60.0±3.3%、C群497±8.4%と、治療群において左室収縮機能が改善していた。 心臓組織標本のMasson-Trichrome染色により心筋内の線維化組織の割合を算出すると、治療群において線維化が抑えられていた。 現在組織中のIFN-γ及びTGF-βのシグナル伝達経路における組織線維化に関与するペプチド濃度の測定を行い併せて発表準備中であり、さらに、より心機能不良の拡張型心筋症モデルを作成し重症心不全に対するIFN-γの治療効果を検討中である。
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