研究課題
萌芽研究
本年度の研究によって、我々は以下のような成果結果を得ることができた。1.基盤となる神経組織再建用材料の追加:平成18年度の報告書において我々はヒアルロン酸を導入したキトサン繊維を用いて神経再生の実験を行い、その結果を報告した。平成19年度ではこの素材の他に、新たな細胞外マトリックスが神経再生に有効であることを発見した。具体的にはこの細胞外マトリックスを使用することにより他の細胞外マトリックスを使用した場合と比較し、細胞(神経細胞のモデルとしてPC12細胞を使用)突起の伸長が有意に増加することを証明した。2.神経組織再生用材料のための細胞接着分子・細胞増殖因子の導入:同様に平成18年度の報告書においてキトサンに細胞接着分子であるRGDモチーフを化学的に安定化した状態で導入したことを報告した。平成19年度ではRGDモチーフのほか、細胞外マトリックスの構成成分であるラミニンの細胞接着モチーフの2種類を化学的に合成(solid phase peptide synthesisにて)し、これらの生理活性の評価を行い、神経再生に対し望ましい効果を有することを証明した。今後の予定:前述した神経再生に有用な新しい素材に同じく前述の3つの細胞接着モチーフを化学的に導入することにより新たな神経再生用素材を作成する。これに前述のPC12細胞を播種し、神経突起伸長、神経細胞数の増加などをin vitroで評価をした後、臨床応用を見据え3次元のチューブを作成する予定である。、
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