| 研究概要 |
レムナントリポプロテインは前立腺癌細胞の増殖に関与していることを見出したが,特にアンドロゲン非依存性株であるPC3細胞での効果が著明であった。本年度は,このメカニズムとして受容体の研究をまず行った。レムナントリポプロテインの受容体はLDL受容体,VLDL受容体,ROX1が報告されている。mRNAレベルではLDL受容体,VLDL受容体の発現を確認したが,蛋白レベルではLDL受容体のみが発現していた。LDL受容体は,レムナントリポプロテインの存在下では,PC3細胞ではdown regulationがなく,LNCAP細胞ではdown regulationを認めた。さらにsterol-responsive element binding protein 2(SREBP2)はPC3細胞においてdown regulationの機構が欠如していた。この結果,レムナントリポプロテインの細胞増殖には,LDL受容体および。SREBP2の発現調節機構が関与していることが判明した。ヌードマウス皮下移植モデルにおけるPC3細胞のvivoでの検討を行った。高脂肪食を与えることによって,腫瘍細胞の増殖は亢進していた。この傾向は,スタチンの投与によって抑制傾向にあり,vivoにおいても脂質の関与があることが示された。
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