研究課題/領域番号 |
18659537
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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研究分担者 |
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90303130)
河野 芳朗 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60303129)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アクアポリン / 三叉神経節 / 歯根膜 / 機械受容器 / ルフィニ神経終末 |
研究概要 |
水分子の一つであるaquaporin-1(AQP1)の歯根膜ルフィニ神経終末における発現を検討し、以下の結果を得た。 1.三叉神経節では、AQP1とAQP4のmRNAの発現がRT-PCR法により確認された。しかしながら、特異抗体を用いた免疫染色ではAQP1は三叉神経節ニューロンに、AQP4は衛星細胞に存在した。 2.AQP1陽性の三叉神経節ニューロンは全ニューロンの16.1%であり、その大きさは671.4±172.4μm^2であり、陽性ニューロンの66.9%が400-1000μm^2の範囲にあり、AQP1陽性ニューロンは機械受容を担う中型のニューロンと考えられた。 3.AQP1抗体で歯根膜を免疫染色すると、歯根膜ルフィニ神経終末の軸索終末と円形の終末シュワン細胞が陽性を示した。なお、これらの反応局在はAQP1とPGP9.5、 AQP1とS-100タンパク、AQP1と非特異的コリンエステラーゼ活性の二重染色法により確認された。さらに歯根膜ではセメント芽細胞がAQP1陽性を示した。 4.さらに、AQP1の歯根膜ルフィニ神経終末における役割を検討するために、下歯槽神経切断モデル(Harada et al., 2003)に従い、片側の下歯槽神経を切断し,三叉神経節におけるAQP1mRNAの経日的変動を、Real time PCR法で検討した。しかしながら、AQP1mRNAの著名な経日的変動は観察されなかった。このことはAQP1が神経の再生過程には関与しないことを意味すると考えられた。 以上のことから、歯根膜ルフィニ神経終末には水分子のうちAQP1が存在し、中型の三叉神経節ニューロンにより支配されていること、さらに、終末シュワン細胞においてもAQP1が重要な役割を果たしていることが示唆され、このAQP1が歯根膜ルフィニ神経終末の軸索-シュワン細胞相互作用の重要な分子の一つと考えられた。
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