研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
水口 一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30325097)
松香 芳三 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90243477)
小野 剛 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80457225)
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研究概要 |
1) 頭頸部筋症状とβ2アドレナリン受容体多型の関連性の検討 岡山大学歯学部のヒトゲノム倫理委員会から承認を受け,本学附属病院の顎関節症・口腔顔面痛み専門外来を受診した患者の中で,研究参加に同意の得られた被験者より採血を行った.各被験者のDNAサンプルを取得開始し,現在,約200名のサンプルを保有している.また,切断酵素を用いたβ2アドレナリン受容体の遺伝子多型解析手法を確立した.今後は,β2受容体の遺伝子多型や筋症状に関する因子を予測因子として,多変量解析を用いて統計解析を進めていく予定である. 2) 頚部慢性筋痛者における筋組織内代謝特性に関する疫学的検討 岡山画像センターをがん検診を目的としてPET(Positron Emission Tomography)検査を受診した患者の中で,研究参加に同意の得られたものを対象とした.各被験者からはPET撮像前に頭頸部の慢性筋痛に関するアンケートに回答してもらい,筋痛に有無や場所,疼痛の強さに関するデータを得た.PET画像は,両側僧帽筋上部の規格化された部位にROI (region of interest)を設定し,その部位におけるFDG(F-18フルオロデオキシグルコース)の集積値を求めた.各被験者の基礎データ(年齢,性別,頭頸部慢性筋痛の有無,疼痛強度等)と僧帽筋部のFDGの集積値を予測因子とした多変量解析を行った.その結果,慢性筋痛を訴える被験者ではFDGの集積は有意に低下している結果が得られた.さらに,疼痛強度が強いほど,FDGの集積値は低い傾向にあった.これらの結果は,慢性筋痛者においては筋組織内の代謝が抑制されて可能性を示すものと思われた.
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