研究課題/領域番号 |
18659633
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学部, 教授 (40289765)
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研究分担者 |
村田 勝敬 秋田大学, 医学部, 教授 (80157776)
嶽石 美和子 秋田大学, 医学部, 助教 (70375236)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 看護師 / 職業性曝露 / 抗癌剤 / DNA損傷 / コメットアッセイ |
研究概要 |
平成18年度に引き続き、女性看護師121名と同病院に勤務する女性事務職員46名(合計167名)から得られた末梢血リンパ球のコメットアッセイの画像解析と質問紙調査の結果を解析し、次の結果を得た。 すなわち、看護師のうち57人は6ケ月以上抗癌剤を取扱っており、64人は少なくとも6ケ月間抗癌剤を取扱っていなかった。1ケ月以内に健康診断でX線検査を受けた人は看護師群28名および対照群8名であった。また喫煙者は看護師群12名、対照群12名であった。なお看護師群と対照群の基本属性では、喫煙状況、コーヒー飲用、肝臓の酵素(AST)、ヘモグロビンを除いて、有意な差はなかった。 DNA損傷に影響を及ぼしうる放射線および喫煙などを交絡因子として、抗癌剤を取扱っている看護師群と対照群のコメットのtail length(μm)を対数変換して比較すると(共分散分析)、対照群が0.71±0.09であったのに対して、看護師群は0.76±0.12と有意に長かった(p=0.020)。抗癌剤を6ケ月以上取扱っていた看護師57名のtail lengthは対照群46名と比べて有意に長かったが(p=0.045)、抗癌剤を取扱っていない看護師64名と対照群の間には有意差は認められなかった(p>0.05)。なお、抗癌剤取扱い看護師のtail lengthは取扱いのない看護師に比べて長い傾向はあったが、有意差は認められなかった(p>0.05)。これらの結果は抗癌剤を取扱う看護師にDNA損傷の影響が示唆するものであり、我が国でも、抗癌剤を取扱っている看護師はDNA損傷の潜在的なリスクを持つと考えられる。わが国では看護師を対象とした抗癌剤取扱いに関するガイドラインの整備の遅れが指摘されており、適切な安全取扱いに関するガイドラインが今後提示される必要があると考えられた。
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