研究概要 |
2008年度の研究実績概要報告1.研究目的:高齢者がどのようなサポートがあれば重症化と入院,救急外来受診を回避できるのか,患者,家族,看護師の視点で明らかにし,予防的看護を検討した。2.結果および考察1)患者による視点と課題・不安:郡部では症状に不安を有しても我慢し,様子を伺い不安のままに過ごしている場合が多い。他方,都市部では不安に際し救急車・外来受診に躊躇は見えにくい。救急医療・機関の存在・問題も不安に関連している。・介護移動手段の問題:十信に際し人手を要するが"頼みにくい""相談する人がいない"などの理由で躊躇し悪化する場合が少なくない。"悪くならないと手を貸してもらえない,診てもらえない"との思いも少なくない。2)患者の家族による視点と課題・家族の安心へのニーズ:不安に明確な回答,相談口を求めている。"様子をみる"ということに不安を覚え救急車の要請といった考えがある。郡部では受診機関も少ない,遠方という環境に不安を有し,救急医療の現状が不安を抱かせている。・日常生活動作に不安を覚え救急車を要請する傾向は歪めない。・家族の不安を軽減する方略が重要である。そのために日頃のケアにおいて症状の変化に対する高齢者・家族への教育指導は課題である。3)救急外来に勤務する看護師による視点と課題・総じて在宅医療・看護・介護・福祉との連携の重要性が具体的に示されている。受診時の患者の体の汚れ,悪臭など介護,生活を反映する状態に不安を覚え,さらに,帰宅後に環境から悪化の恐れや不安を覚える看護師は少なくない。・救急外来から自宅へ戻る際のアクセスの問題タクシー利用と金銭的問題や,送迎者の不在等,アクセスの問題は郡部に見られる。アクセス環境により長時間の外来滞在がよぎなくされケアの課題となっている。4)その他・「変化があればいつでも救急外来へ」といった指導の全段階のあり方が問われている。日ごろのケアにおける解り易い説明,理解の程度と対応の重要性が示唆された。予防看護は訪問看護ステーションにおける急変時対応の調査・分析中である。
|