研究課題/領域番号 |
18659676
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地域・老年看護学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
橋爪 祐美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40303284)
|
研究分担者 |
松田 ひとみ 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80173847)
増田 元香 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60284642)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 勤労女性 / 老親介護 / ワーク・ライフ・バランス / 男女共同参画推進 / 介護保険サービス / うつ / 高齢者虐待 / 地域ケア / 高齢者介護 / 介護者 / 就労両立 / 男女協同参画社会 / 自尊心 |
研究概要 |
関東、北陸、関西、近畿、中国地方在住の就労女性324名に、標準化された測定尺度と独自に作成した質問項目を用い郵送調査を行った。223名より回収し167名を分析対象とした。96名が現在または過去に介護経験をもっており、さらに就学する子どもと同居する既婚女性30名・就学する子どものいない既婚女性50名・単身女性16名の3群に分かれた。介護未体験の女性71名と96名で比較したところ有意差はなく、女性の『老親介護や家事役割を女性ひとりが担うべきとする規範』に関する認識は介護体験の有無で左右されないことが考えられた。介護体験を持つ3群において規範意識と、『働く機会確保のため働く』、『手伝うよう家族を説得する』などの規範の形骸化に関する認識と、いくつかの測定尺度との間に相関が見出された。家事介護の責務を全うしていないと感じた介護者では就労と家事介護両立の際の葛藤や介護負担感と関連があり、両立に懸命に取り組むものの十分責務を果たしているとは思えない介護者で老親に対する罪悪感、羞恥心と関連があった。近隣から仕事よりも家事介護を優先するよう求められ怒りを感じることに関連があった。女性介護者が規範は不易なものではないと感じている一方で、就労しているかどうかに関わらず老親介護と家事責務を担い、これを全うすることは女性が果たすべき規範として、女性自身や周囲の人々が価値づけていることと、このことが勤労女性介護者の葛藤や介護負担感、抑うつ感をもたらす原因となっている可能性が検証され、勤労女性介護者の精神的安寧を支援する看護介入モデルが提示された。現行の高齢者介護・男女共同参画推進施策について、勤労女性介護者の多様な背景や施設介護への要望を考慮した、柔軟な施策の構築が必要なことが考えられた。また勤労女性介護者モラールスケールについて、調査対象数を増やした上でさらに検討することが課題となった。
|