研究課題/領域番号 |
18680903
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
|
研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
松井 広 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助教 (20435530)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
23,050千円 (直接経費: 21,400千円、間接経費: 1,650千円)
2007年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2006年度: 15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
|
キーワード | シナプス / グリア細胞 / 神経細胞 / 神経伝達物質 / 二光子イメージング / 電気生理学 |
研究概要 |
本研究では、シナプスーグリア複合環境が、どのように刻々と変化するのかを調べ、この空間環境変化が、伝達物質濃度の時空間特性にどう影響し、シナプス伝達にどう作用するのか調べることを目的としている。昨年度の二光子イメージングを用いた研究によって、小脳のバーグマン・グリア細胞の形態が、分単位で刻々と変化することが明らかになった。この形態変化を誘導する信号の候補として、バーグマン・グリア細胞のCa^<2+>透過型AMPA受容体とATP受容体が考えられる。本年度の研究では、まず、これらの受容体の活性化を介した細胞内Ca^<2+>濃度上昇が、細胞のどの位置で生じるのかを調べた。その結果、AMPA受容体入力によるCa^<2+>上昇は、グリア細胞の微細突起の先端に限局しているのに対し、ATP受容体入力によるCa^<2+>上昇は、グリア細胞全体に伝播することが明らかになった。AMPA受容体は、平行線維や登上線維からのグルタミン酸放出によって活性化されることは明らかにされているが、ATPはどこから放出されるのか明らかになっていない。ATP放出元が小脳介在神経細胞であることが示唆されているので、これを確定するための実験を進めている。形態変化に関しては、AMPA受容体の活性化を薬物によって6時間程度止めたところ、グリア細胞で記録されるグルタミン酸応答の立ち上がりが遅くなることが明らかになり、平行線維とグリア細胞の微細突起の間の距離が広がったことが示唆された。二光子イメージングでは解像度が足りず、この点を確認できなかったので、電子顕微鏡を用いた連続切片観察を試みている。同様にして、ATP受容体の形態変化に対する影響に関しても解析を試みている。また形態変化に伴い、細胞外空間における伝達物質拡散がどのように影響を受け、シナプス後細胞の受容体活性化にどのような影響を与えるのかを解析するためのシミュレーションも遂行した。
|