配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 23,000千円、間接経費: 6,900千円)
2007年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2006年度: 18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
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研究概要 |
本研究は,菱刈金山地下熱水環境に生息する,全くの未培養系統群に属する2種のCrenarchaeota(Hot Water Crenarchaeotic Group I及びIII)について,メタゲノム解析による全ゲノム解明を目指すものである。昨年度,菱刈金山熱水環境の微生物群集より作成したフォスミドライブラリー中より,フォスミド末端配列からArchaea由来と判断した約140クローンをGS20を用いて解析した。今年度は前年度に解析した塩基配列の整列化を進め,その後,未シーケンス領域の確定及び,それらの領域の塩基配列決定を中心に解析を行った。その結果,16S rRNA遺伝子の配列を含む全長約1.6MbのHWCG Iに由来するcontigを得ることが出来た。このcontigは,両端に同じCDSが見出されること,これまでに全ゲノム解析が行われたCrenarchaeotaのゲノムサイズの多くは1.5-2.0Mb程度であること,これまでにPyrosequenceによるfosmid塩基配列解析から得た配列で,1.6Mbのcontig中に含まれない配列が極めて少ないことから,HWCG Iのほぼ全ゲノムを得ることが出来たと判断している。なお,自動的なCDS検出を行ったところ,このHWCG I Archaeaは水素あるいは一酸化炭素を電子供与体とし,酸素あるいは硝酸を電子受容体とする化学合成独立栄養生物であることが示唆された。なお,以前の解析より,HWCG Iとほぼ同程度の頻度でライブラリー中に含まれていることが予想されていたHWCG III由来のゲノムが,今回の解析手法で殆ど検出できなかった理由は明らかではない。 本科研費の期間内では,HWCG Iゲノムについて,CDS決定を含む詳細な解析を終了させることは出来なかったが,2008年度内の完了,投稿を目指し,解析を進めている。
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