配分額 *注記 |
28,470千円 (直接経費: 21,900千円、間接経費: 6,570千円)
2007年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2006年度: 16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
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研究概要 |
1.NANTEN,ASTE,SEST,MOPRA等の望遠鏡から得られたミリ波・サブミリ波データを解析し、回転遷移の異なるスペクトル(^<12>CO(1-0,3-2,4-3),^<13>CO(1-0,3-2)等)を比較することにより、分子雲の詳細な物理量を決定した。その結果、次のことが明らかになった:1.巨大星団形成の元となる分子雲ガス塊(十万太陽質量程度)を見つけた。2.大質量星形成を伴う分子雲はそうでない分子雲と比較して、高温・高密度(〜100K,〜10^4cm^<-3>)であり、大質量星形成には密度の高まりが必要性である。3.Hα強度と分子ガスの温度の間に良い正の相関が見られる(Minamidani et al.)。4.星形成に密接に関連する高密度分子ガスをトレースするためには、J=3-2以上のCOの高励起線と^<13>CO等の光学的に薄いスペクトルの観測がきわめて重要である(Y. Mizuno et al.投稿中)。また、NANTEN2によるサブミリ波観測では、N159領域で^<13>CO(4-3),[CI](^3P_2-^3P_1)を初検出し、検出したスペクトルの相互比較から、炭素原子とCOの存在比がほぼ1と、銀河系の大質量星形成領域と比較して、非常に高いことが明らかになった。これは、FUVが分子雲の奥深くまで到達していることを示唆している(Pineda et al.)。 2.NANTEN2を用いて、CO(2-1)スペクトルによるLMC,SMCの広域分子雲探査観測を開始した。LMCのMolecular Ridge領域等の観測を終了し、CO(2-1)/CO(1-0)が星形成の活発さのよい指標であることが観測的に明らかになってきている。同スペクトルによる全面探査の道筋をつけることができた。
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