研究課題/領域番号 |
18685017
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境関連化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
阿部 竜 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (60356376)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
18,460千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 4,260千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | 光エネルギー / 光触媒 / 高選択的有機合成 / 光電気化学 / 芳香族化合物 / 酸化タングステン / ヒドロキノン / フェノール / 有機合成 / 酸化反応 / 可視光 / レドックスメディエーター / ベンゼン水酸化 / 光電極 |
研究概要 |
本研究は、徒来の光触媒有機合成反応の問題点を解決するために"レドックスメディエーターを用いる新規非酸素酸化型光触媒有機合成反応"を提案し、光触媒による有機合成反応に新たな可能性を開拓することを目的としている.本年度は、酸化タングステン多孔質電極を用いたベンゼンの直接水酸化反応を中心に検討を行った.様々な条件においてベンゼンの水酸化を検討したところ、完全な水系では反応収率、選択率ともに低かった.これに対して、アセトニトリルと水の混合溶媒を使用し、可視光のみの照射を行うと、水酸基が1つ導入されたフェノール、および水酸基が2つ導入されたヒドロキノンが効率良く生成することを見出した.特に、反応前に溶液中の酸素分子を除去すると、ベンゼン環の解裂が効果的に抑制され、ヒドロキノンが電流効率95%以上と極めて高い効率で生成することを見出した.様々な検討を進めた結果、本系におけるヒドロキノンの生成は通常の逐次的酸化反応ではなく、1電子酸化によるラジカル的な反応メカニズムによって進行していることが強く示唆された.また、酸化チタン電極を用い、紫外光を含む光を照射した場合には、他の生成物、特にベンゼンの解裂化合物、および過酸化による二酸化炭素の生成が進行した.したがって、酸化タングステン電極を用いて、可視光照射のみという穏和な条件でベンゼンの水酸化を行うことによって、従来にはない新規な有機合成系を構築できたと考えられる.
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