配分額 *注記 |
24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
2007年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2006年度: 22,100千円 (直接経費: 17,000千円、間接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
半導体スピンエレクトロニクスは,"スピン"というこれまで半導体エレクトロニクスの世界には関わってこなかった物理量を積極的に利用するより上位概念のデバイスである.とれまでIII-V族やII-VI族化合物半導体をベースとした希薄磁性半導体,強磁性体/半導体ヘテロ構造及びグラニュラー構造での新たなデバイス機能の提案がされている.しかし半導体の主役であるシリコン系材料では未だほとんど検討されていない.本研究ではシリコン(Si)上へのスピンエレクトロニクス・デバイスを実現させるための結晶成長技術の確立および,基礎物性を明らかとすることを目的とする. 本年度は,昨年度の結果をもとにSi上にエピタキシャル成長させたバッファ層を導入して強磁性Fe3s董薄膜のエピタキシャル成長を検討した.その結果,マグネシア(MgO),イットリア安定化ジルコニア(Ysz)の酸化物および立方晶構造を有する炭化シリコン(3c-SiC)半導体をバッファ層として導入したSi基板上でFe3Siのエピタキシャル薄膜が,スパッタ法あるいは有機金属気相成長法(MOCVD法)にて結晶成長し,これらバッファ層がFe3Si堆積膜と基板Siとの反応を抑制しつつ配向制御に有効なことが明らかとなった. さらにX線回折による構造解析、電気伝導特性および低温での磁気特性からMgO上のエピタキシャルFe3Si薄膜の規則化度を評価した結果,スピンエレクトロニクス・デバイスへの応用に有益なハーフメタルとなる規則構造相(DO3相)の形成が明らかとなり,この強磁性薄膜のスピンFET等への適用の可能性が示唆された。
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