配分額 *注記 |
28,990千円 (直接経費: 22,300千円、間接経費: 6,690千円)
2007年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2006年度: 20,930千円 (直接経費: 16,100千円、間接経費: 4,830千円)
|
研究概要 |
MEMSデバイスをより苛酷な環境で使用することを保証するために,デバイスの構造材料であるシリコンの信頼性について継続して研究を進めている.本年はシリコンの疲労破壊発現のメカニズムを検討するために,(1)高温引張試験装置を用いた単結晶シリコンの引張試験,(2)表面を酸化した単結晶シリコンの引張試験を行った. (1)高温引張試験装置を用いた単結晶シリコンの引張試験 高温(500ないし800℃)かつ酸化雰囲気など雰囲気制御可能な環境で引張試験する装置を開発した.試験片は裏面から赤外線ランプ加熱により所望の温度まで加熱される.加熱系以外の試験装置の構成は従来の薄膜引張試験装置と同じ方法を用いる計画であり,基本的な構成は従来の静電チャック方式の薄膜引張試験装置を利用し,加熱機構,雰囲気制御容器,熱絶縁のための構造などを新たに追加した装置を試作した.最高600度での試験を実現し,単結晶シリコンの塑性変形を観察した.塑性変形の発生は,ひずみ速度に依存することを見出した. (2)表面を酸化した単結晶シリコンの引張試験 単結晶シリコン薄膜試験片をドライ酸化で100nmから200nmの表面酸化膜を形成して,引張試験を行い,酸化前後の引張強度の変化を評価した.酸化することによって,強度はいったん増加したが,酸化膜厚を増加させると逆に強度は低下した.また,破壊の起点が表面だったものが,酸化後はシリコンの内部で発生している.この破壊の起点の寸法は,酸化により生成した酸素析出欠陥のサイズとよく一致していた.破壊の起点が欠陥にあることを推定している.
|