配分額 *注記 |
13,520千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 3,120千円)
2007年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2006年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,永久磁石の磁力を利用した空気冷却用小型磁気冷凍システムを構築することである.目的達成のためには,磁気作業物質と熱輸送媒体との間の熱交換特性を把握することに加え,連続的に生じる磁気作業物質の吸発熱を素早く移動させる熱交換技術を確立することが重要である.本年度の実施事項および研究成果を以下に示す. 1.熱移動特性および圧力損失挙動に関する実験 前年度に製作した実験装置を用い,磁気作業物質と熱交換媒体との間の熱移動特性ならびに圧力損失挙動に関する実験を行った.実験パラメーターとして,励消磁の周期および熱交換媒体の流量を変化させることに加え,磁気作業物質の充填構造が熱移動および流動挙動に及ぼす影響も検討した. 2.数値解析による冷凍システムの性能評価 繰り返し内部吸発熱を伴う粒子充填層からの高速熱交換に関する数値解析モデルを構築し,熱移動特性に関する数値解析を行った.本解析では,磁気熱量効果による吸発熱量を分子場近似理論を用いて計算し,妥当かつ一般性のある性能予測結果が得られた. 3.小型磁気冷凍システムの構築および冷凍能力の評価 空気を熱交換媒体とした磁気冷凍システムを試作した.磁気回路には最大磁束密度2.0テスラのハルバッハ型磁石を用いた.磁気蓄熱再生サイクル(AMRサイクル)に基づくシステムの運転を行い,その冷凍能力およびCOP等に関する評価を行った. 4.研究成果および特筆すべき点 (1) 磁場を付与した場合と付与していない場合では粒子充填層内の圧力損失分布に差が認められる. (2) 本解析において構築した解析モデルは,AMR室温磁気冷凍システムの温度推移および冷凍特性を定量的に良く表している. (3) 磁気蓄熱再生サイクルは室温磁気冷凍機の構築と性能向上に効果的であり,空気を熱交換媒体とした磁気冷凍システムにおいても冷凍効果が得られることが確認された.
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