配分額 *注記 |
21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
2007年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2006年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
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研究概要 |
河川流量は,河川管理上最も重要な水理量の一つであり,精度良くモニタリングを行うことは不可欠である.既存の河川流量計測法には多くの問題点が指摘されており,現在でも流量を「直接」計測可能な高規格モニタリング手法は確立されていない.このような要請に対しては,流速鉛直分布計測が可能な超音波ドップラー流速分布計(ADCP)などの超音波計測技術と河川流シミュレーション技術を組み合わせた流量モニタリング手法が有効であると考えられる.対象とする河川流場は,出水時の非定常性,並列螺旋流,複断面・植生域周辺の三次元乱流構造,河床変動や側岸侵食に伴う境界形状の大変形などにより,時空間的に大きく変化しており,現段階では,河川流モデル自体が十分確立されているとは言い難い.本研究では,上述した超音波計測技術と融合させる河川流モデルを構築することを念頭にして,モデル構築上ポイントとなる乱流構造や流速鉛直・横断分布特性や今後河川流計測の展開が大いに期待される超音波ドップラー流速分布計(ADCP)の計測特性を現地観測により明らかにすることを目的とした.本年度の主な研究成果は,以下の2点である. (1) 超音波ドップラー流速計を用いた流量計測法に関する多角的な検討を行った.そこでは,ADCP移動観測法における流速・水深・横断位置計測精度や流量算定精度について検討した結果,既存手法と計測精度は同程度であり,かつ,計測効率は大きく上昇していることが示された. (2) 超音波ドップラー流速分布計に基づいて,小河川(大堀川)や大河川(江戸川)における洪水時乱流計測を行った.その結果,大河川では,乱れ強度やレイノルズ応力などの乱流統計量が,単純な一様開水路流れの乱流場と比べて著しく大きいことが明らかとなった.
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